井戸ポンプ・給水ポンプの漏電|ブレーカーが落ちる原因と電気工事士の確認手順

井戸ポンプ・給水ポンプの漏電

井戸ポンプや給水ポンプが動いたとたんにブレーカーが落ちる。そんなときにまず大切なのは、ポンプの電源を切り、ポンプをつなぎ直して試さないことです。日立の浅井戸用ポンプ(WT-P125S形など)の取扱説明書でも、「運転するとブレーカーや漏電遮断器が動作する」は使用を中止し、電源を切ってから点検・修理を相談する症状として挙げられています。

この記事では、福岡・佐賀で漏電調査を行っている電気工事士の立場から、ポンプまわりでブレーカーが落ちるときの確認の順番、ポンプが漏電しやすい理由、そして「ポンプ本体の故障」と「電気設備側の不具合」をどう切り分け、どこに相談すればよいかを解説します。

ポンプでブレーカーが落ちたとき、まずやること

次の症状があるときは、ポンプに触れないでください。

・ポンプや配管に触るとビリビリと電気を感じる
・焦げ臭いにおいがする、ケーブルが破れている
・ポンプのまわりが水浸しになっている
この場合は、ポンプ本体ではなく分電盤のブレーカーで電気を切ることを優先してください。煙が出続けている・炎が見えるときは、ためらわず119番に通報し、避難を優先してください。

これらの症状があるときは、下の手順1〜3は行わないでください。ブレーカーは切ったまま戻さず、電気工事店に連絡してください。

感電して倒れている人がいるときは、素手で体に触れないでください。助けようとした人も感電するおそれがあります。先に分電盤のブレーカーを切るか電源プラグを抜いて電気を止め、それから119番に通報してください。

上の症状がない場合は、次の順番で状況を確認します。

1. ポンプの電源を切る

ポンプの電源プラグを抜くか、ポンプ用に設けた漏電しゃ断器を「切」にします。テラルの家庭用井戸ポンプ(JP-V250Sなど)の取扱説明書でも、お手入れ・点検のときや水が出ないときは「電源プラグを抜くか、漏電しゃ断器を切る」よう案内されています。濡れた手でプラグや操作スイッチに触れないでください。

電源プラグもポンプ用のしゃ断器も見当たらず、ポンプが分電盤から直接配線されている場合は、ここでご自身で切り離すことはできません。手順2で落ちたブレーカーを確認したら、そのまま電気工事店にご相談ください。

2. 分電盤でどのブレーカーが落ちたかを見る

分電盤には、契約アンペアのブレーカー、漏電ブレーカー(漏電遮断器)、回路ごとの安全ブレーカーが並んでいます。漏電ブレーカーが落ちている場合は漏電の疑い、特定の回路の安全ブレーカーだけが落ちている場合は、その回路の使いすぎやショート、機器側の不具合が疑われます。漏電ブレーカーの仕組みは漏電遮断器(漏電ブレーカー)の役割と動作原理で詳しく解説しています。

なお、ポンプ用に分電盤とは別の漏電しゃ断器が付いている家もあります。川本製作所や日立は、ポンプには専用の漏電しゃ断器を設けるよう取扱説明書で求めています。分電盤が落ちていないのに水が出ない場合は、ポンプの近くや電源コンセントのそばにあるしゃ断器も確認してください。このしゃ断器が落ちている場合は、ポンプの側で漏電している疑いがあるため、入れ直さずに手順4のとおり相談してください。

3. ポンプを切り離した状態でブレーカーを戻す

一般財団法人 九州電気保安協会は、漏電遮断器が切れたときの復旧手順として、安全ブレーカーをすべて「切」にしてから漏電遮断器を「入」にし、安全ブレーカーをひとつずつ「入」にしていく方法を案内しています(九州電気保安協会「漏電遮断器」)。同協会は、この手順の前に「まず、電気機器の安全を確かめてから」復旧するよう呼びかけています。ある回路を入れたとたんに再び落ちれば、その回路で漏電していると考えられ、その回路の安全ブレーカーは「切」にしたまま漏電遮断器を戻し、ほかの回路だけを使います。

ポンプの場合は、手順1でポンプの電源を切ったうえでこの確認を行います。ポンプを切り離した状態で戻せて、ほかの部屋の電気が問題なく使えるなら、原因はポンプの側にある可能性が高いといえます。電源プラグを抜いて切り離した場合は、コンセントまでは電気が来ているので、疑わしいのはポンプ本体と電源コードです。ポンプ用のしゃ断器で切った場合は、しゃ断器から先の配線・コンセントも含めて疑います。同協会も、漏電している回路は早めに電気工事店に点検を依頼するよう案内しています。ブレーカーのレバーが戻らないときは、ブレーカーが戻らない・リセットできない原因と対処法もあわせてご覧ください。

4. ポンプが原因らしいときは、つなぎ直さずに相談する

手順3でポンプの側が疑わしいと分かったら、ポンプの電源プラグやしゃ断器は切ったままにし、つなぎ直して試さないでください。漏電している状態で通電すると、感電や発熱の危険があります。特にアース線が外れているポンプでは、漏れた電気の確実な逃げ道がないため、人が触れて体を通って電気が流れてから遮断器が働く、という順番になりがちです。川本製作所の家庭用浅・深井戸用ポンプの取扱説明書も、動かなくなったり異常があったりする場合は「直ちに運転を停止して電源を遮断」し、購入先などに点検・修理を依頼するよう求めています。

井戸水を生活用水にしているご家庭では、ポンプが止まると水が使えなくなります。ただ、水が出ない状態でポンプを回し続ける「空運転」も、テラルの取扱説明書が過熱による発火で火災の原因になることがあるとして禁止しています。焦って何度も試すより、原因を特定してから復旧させるほうが結果的に早く、安全です。

ポンプが漏電しやすい理由

ポンプは、水とモーターが隣り合わせで動く機械です。しかも屋外や床下、ポンプ小屋など、湿気がこもりやすい場所に置かれることが多く、家の中の家電よりも絶縁(電気を漏らさないための被覆や部品)が傷みやすい条件にあります。メーカーの取扱説明書に書かれている注意から、漏電につながる主な原因を整理します。

湿気・水濡れ・ほこり

川本製作所の取扱説明書は、ほこり、腐食性ガス、塩分、湿気などがある悪環境では「モータ・電装箱の絶縁低下などにより、漏電・感電・火災の原因」になるとしています。あわせて、モーターや電装箱に水をかけないこと、呼び水や排気の際にポンプに水がかからないようにすること、ポンプカバーを外したまま使わないこと(ほこりや絶縁劣化で漏電・感電・火災の恐れ)も注意事項に挙がっています。

配管の継ぎ目からのわずかな水漏れや、雨の吹き込み、結露でも、電装部分が濡れれば漏電のきっかけになります。

長年の使用による劣化

テラルの家庭用井戸ポンプ(JP-V250Sなど)の取扱説明書には、「モータや制御ボックスは4~5年使用されますと、経年劣化により発火等の事故に至るおそれがあります」と書かれ、定期的な点検とメンテナンスが求められています。同じ説明書は、長期間使わないときは電源プラグを抜くか漏電しゃ断器を切るよう求めており、その理由を「絶縁劣化による感電や、漏電による火災」としています。

点検の間隔や部品の交換時期は機種によって違うため、お使いのポンプの取扱説明書で確認してください。

ポンプではなく、配線やコンセントが原因のことも

ブレーカーが落ちるのはポンプを動かしたときでも、原因がポンプ本体にあるとは限りません。ポンプへつながる屋外の配線の被覆が傷んでいたり、屋外コンセントに雨水が入っていたりすると、同じように漏電ブレーカーが落ちます。屋外コンセントの雨対策は屋外コンセントの設置と雨対策で解説しています。

ポンプ本体か、配線・コンセントか、それとも同じ回路の別の機器か。ここを見分けるには、回路ごとに絶縁抵抗を測る漏電調査が有効です。調査の内容は漏電調査は何をする?絶縁抵抗測定でわかることをご覧ください。

アース線と専用の漏電しゃ断器は付いていますか

ポンプの漏電で最も怖いのは、漏れた電気が人の体を通って流れる感電です。これを防ぐために、日立・川本製作所・テラルの取扱説明書は、次の2つを求めています。

▶ アース線(接地)を確実に取り付ける
川本製作所・日立・テラルの取扱説明書はいずれもアースの取り付けを求めており、テラルの説明書は「アース工事は電気設備技術基準に基づき、電気工事士の方が行ってください」としています。アース線をガス管・水道管・電話線・避雷針につないではいけないことも、各社が注意しています。

▶ 漏電しゃ断器を設ける(ポンプ専用を求めるメーカーも)
川本製作所は「本製品専用に漏電しゃ断器を取り付けてください」、日立は「アースを確実に取り付け、専用の漏電遮断器を設置する」としています。テラルの説明書にはアース線と漏電しゃ断器の取り付けが、川本製作所の家庭用ポンプの説明書にはアース線の取り付けが、それぞれ法律で義務づけられているとの記載もあります。

古い井戸ポンプでは、アース線が外れていたり、アース棒が腐食していたりすることもあります。アースが効いていない状態で漏電すると、ポンプや配管に触れたときに感電するおそれがあります。アースの役割はアース線をつながないとどうなる?で詳しく解説しています。ポンプの配線工事やアース工事は、電気工事士の有資格者が行う作業です。

どこに相談する?ポンプ本体と電気設備の切り分け

ポンプの漏電は、相談先が2つに分かれます。

ポンプ本体の故障は、販売店・メーカーへ

モーターの絶縁不良や内部部品の故障など、ポンプ本体の修理・交換は、ポンプを購入した販売店(工事店)やメーカーの領分です。まず保証書で保証期間を確認してください。たとえば日立の浅井戸用ポンプ(WT-P125S形など)の取扱説明書では、保証期間はお買い上げの日から1年、補修用性能部品の保有期間は製造打ち切り後8年とされています。問い合わせの際は、ポンプの形式(品番)と製造番号を控えておくと話が早く進みます。

どこで漏電しているか・ブレーカーや配線の不具合は、電気工事店へ

一方で、「ポンプが原因なのか、配線やコンセントなのか分からない」「ブレーカーそのものが傷んでいる」「アースが外れている」といった電気設備側の確認と修理は、電気工事店の仕事です。当社では、漏電調査で漏電している箇所を特定し、ブレーカーや配線、コンセントなど電気設備側の修理を行います。ポンプ本体に原因がある場合は、その旨をお伝えし、販売店・メーカーへのご相談をご案内します。

当社の施工事例でも、2026年9月時点で公開している施工実績99件のうち3件がポンプの漏電です。

久留米市と宮若市の事例は、どちらも「漏電」のご相談から始まったものです。原因がどこにあるか分からない段階でも、ご相談いただいて問題ありません。漏電調査(箇所特定)の料金の目安は料金ページに掲載しています。

賃貸住宅や集合住宅の給水ポンプは、管理会社・大家さんへ

アパートやマンションで建物全体に水を送っている給水ポンプは、入居者の方ではなく建物の所有者・管理者が管理する設備です。水が出ない、ポンプ室のあたりでブレーカーが落ちているといった場合は、ご自身で業者を手配する前に管理会社や大家さんへ連絡してください。賃貸住宅での連絡の流れは賃貸住宅の電気トラブルは誰が修理する?で解説しています。

冬の前に確認しておきたいこと

ポンプは冬の凍結にも注意が必要です。テラルの取扱説明書は「冬期は、暖かい地方でも思いがけない寒波のためポンプや配管が凍結し、破損することがあります」としています。福岡・佐賀でも、強い寒波の予報が出た夜は油断できません。

凍結保護機能のついたポンプでも、電源プラグを抜いていると機能が働かないことがあります(日立 WT-P125S形などの取扱説明書)。漏電の疑いで電源を切ったまま修理を待つ間に冷え込みそうなときは、テラルの取扱説明書が案内するように、ポンプの水抜きを販売店(工事店)に相談してください。凍結で配管やポンプが割れて水が漏れれば、電装部分が濡れて漏電につながるおそれもあります。凍結防止の方法は機種ごとに違うため、取扱説明書で確認し、分からない場合は販売店に相談してください。

福岡・佐賀のポンプまわりの漏電は漏電119番へ

ポンプでブレーカーが落ちたら、電源を切り、ポンプを切り離した状態でほかの回路が使えるかを確認し、ポンプの側が疑わしければつなぎ直さずに相談する。これが安全な順番です。触るとビリビリする、焦げ臭いといった症状があるときは、この手順も行わずブレーカーを切ったままご連絡ください。そのうえで、ポンプ本体の故障は販売店・メーカーへ、どこで漏電しているかの特定とブレーカー・配線などの修理は電気工事店へ相談します。

漏電、ブレーカー、換気扇修理119番は、福岡県全域と佐賀県の主要都市で、電気工事士の有資格者が漏電調査とブレーカー・配線の修理を行っています。年中無休24時間受付、最短即日で伺います。お見積りは無料、出張費も基本無料で、お見積り後の追加料金はいただきません。これまでに久留米市・宮若市・佐賀県みやき町で、ポンプの漏電のご相談に対応してきました。まずはお電話またはメールでご相談ください。漏電修理の詳しい内容は漏電修理のページをご覧ください。

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