漏電調査は何をする?絶縁抵抗測定でわかることと依頼から修理までの流れ

漏電調査は何をする?絶縁抵抗測定でわかることと依頼から修理までの流れ

「漏電ブレーカーが落ちるけれど、原因が分からない」——このとき業者が行うのが漏電調査です。中心になるのは絶縁抵抗測定(メガー測定)という作業で、電気が本来通ってはいけない経路へ漏れていないかを数値で確かめます。この記事では、漏電調査で何がわかるのか、どんな基準値で判定するのか、依頼から修理までどう進むのかを、電気工事士の視点で解説します。

漏電調査でわかる3つのこと

漏電調査は「漏電しているかどうか」を白黒つけるだけの作業ではありません。実際には次の3段階を順に絞り込んでいきます。

  • ▶ ① 本当に漏電が起きているか/ブレーカーが落ちる原因は漏電だけではなく、単なる容量オーバーや本体故障のこともあります
  • ▶ ② どの回路で起きているか/分電盤の安全ブレーカーを1つずつ切り分け、キッチン・浴室・エアコンなど回路単位で特定します
  • ▶ ③ その回路のどこが原因か/配線そのものの絶縁劣化なのか、接続されている機器側なのかを分けて判断します

③まで切り分けられて初めて、「配線をやり替えるのか」「機器を交換すれば済むのか」という修理方針が決まります。原因を確かめずに部材だけ交換しても、再発するだけです。

絶縁抵抗測定(メガー測定)とは

電線は導体(銅線)を絶縁体(被覆)で包んだ構造で、この被覆が電気を外へ逃がさない役割を担っています。経年劣化・湿気・ネズミやビスによる損傷などで被覆の性能が落ちると、わずかな電気が大地側へ流れ出します。これが漏電です。

絶縁抵抗計(通称メガー)は、電気を止めた回路に直流電圧をかけ、絶縁体がどれだけ電気を通しにくいかを「MΩ(メガオーム)」という単位で測る計器です。抵抗値が大きいほど絶縁が健全、小さいほど漏れやすくなっている状態を示します。

判定は法令で数値が決まっている

絶縁抵抗の合否は業者の感覚ではなく、電気設備に関する技術基準を定める省令 第58条で使用電圧の区分ごとに定められています。

低圧電路の絶縁抵抗値(電技省令第58条)

・使用電圧300V以下/対地電圧150V以下(一般家庭の100V・単相200V回路)… 0.1MΩ以上

・使用電圧300V以下/対地電圧150V超過(三相200V)… 0.2MΩ以上

・使用電圧300V超過(三相400V)… 0.4MΩ以上

一般のご家庭で関係するのは、ほとんどが1段目の0.1MΩ以上です。測定値がこれを下回っていれば「基準を満たしていない=絶縁が劣化している」と判断されます。測定は開閉器や過電流遮断器で区切れる回路ごとに行うため、分電盤の安全ブレーカー単位で数値を出していく形になります。

停電できない場合は「漏れ電流」で確認する

絶縁抵抗測定は回路を停電させて行うのが原則です。ただし、店舗の冷蔵設備やサーバーなど、どうしても電気を止められない設備もあります。電気設備技術基準の解釈では、こうした停電が困難な場合について漏えい電流が1mA以下であれば絶縁性能が保たれているとする取り扱いが示されています。この場合は電線を挟んで測るクランプ式の漏れ電流計を使い、通電したまま数値を確認します。

ご自身でメガーを当てるのは避けてください:絶縁抵抗計は停電した回路に使う計器です。通電中の回路に当てると、計器の故障だけでなく感電の危険があります。また、電子回路を内蔵した機器がつながったまま測定すると機器を傷める場合があります。測定は電気工事士の有資格者にお任せください。

漏電調査の流れ|ご依頼から修理まで

① ヒアリング(お電話・メールの段階)

「いつから」「どんなときに」「どのブレーカーが落ちたか」。この3点だけで、疑わしい回路がかなり絞り込めます。雨の日だけ落ちるなら屋外配線や浴室まわり、洗濯機を回すと落ちるなら水まわりの回路、といった具合です。落ちたブレーカーの位置が分かる写真があると、さらに正確になります。

② 分電盤での回路の切り分け

現地ではまず分電盤の状態を確認します。落ちた漏電ブレーカーは「中立」(切と入の中間)で止まっていることがあり、その場合は一度完全に「切」まで下げてからでないと「入」に戻せません。安全ブレーカーをすべて「切」にしたうえで漏電ブレーカーを入れ、1回路ずつ戻していくと、どの回路で漏電ブレーカーが再び落ちるかが分かります。

この切り分けはご自身でも試せます。詳しい手順は漏電遮断器(漏電ブレーカー)の役割と動作原理|なぜ突然落ちるのかブレーカーの中立とは?トリップ状態の正しい戻し方をご覧ください。ただし濡れた手で操作しないこと、分電盤のカバーは外さないこと、そして焦げ臭い・発煙している・分電盤が熱いといった場合は切り分けを試さず、電源を落としてご連絡ください

③ 停電させて絶縁抵抗を測定する

疑わしい回路を停電させ、回路ごとに絶縁抵抗を測定します。ここで基準値を下回った回路が、漏電している回路です。数値が0に近いほど絶縁が失われている状態で、電線が金属部に強く接触していたり、被覆が裂けていたりするケースが疑われます。

④ 配線側か機器側かを分ける

回路が特定できたら、その回路につながっている機器のプラグを順に抜きながら測り直します。機器を外した途端に数値が回復すれば原因は機器側、外しても低いままなら配線・コンセント側です。屋外コンセント、浴室の換気扇、給湯器、エアコンの室外機など、水や湿気にさらされる機器は原因になりやすい代表例です。

⑤ 修理・復旧とご報告

原因が判明したら、配線の張り替え、コンセントや器具の交換、機器の交換手配など、内容に応じた修理を行います。漏電119番では作業前後の写真でご報告します。お見積り後の追加料金はいただきません(作業中に想定外の事象が判明した場合も、必ず事前にご説明し、ご了承をいただいてから追加作業を行います)。

こんなときは早めに調査を

漏電ブレーカーが落ちていなくても、絶縁が劣化し始めているケースはあります。次のような兆候があれば、調査をご検討ください。

特に焦げ臭さを感じる場合は火災につながる恐れがあるため、調査を待たずに該当回路のブレーカーを切ってご連絡ください。ほかの見分け方は漏電のサインを見逃すな|火災リスクと早期発見の7つのチェックリストにまとめています。

調査も修理も電気工事士の有資格者が対応します

配線の補修、コンセントや器具の交換は、電気工事士法上の「電気工事」にあたります。住宅や小規模店舗などの一般用電気工作物等の電気工事には、第一種または第二種電気工事士の資格が必要です。なお分電盤を開けての測定そのものは法律上の「工事」にはあたりませんが、充電部に触れる感電のリスクと、計器・機器を傷めるリスクがあるため、実務では有資格者が行います。資格の線引きは換気扇の交換に資格は必要?電気工事士法の線引きを条文で解説で条文とあわせて説明しています。

漏電119番では、福岡市(博多区・中央区・東区・南区・西区・城南区・早良区)、北九州市、久留米市、大牟田市、飯塚市、大野城市をはじめとする福岡県全域と、佐賀市・鳥栖市・唐津市など佐賀県の主要都市に、年中無休24時間対応で駆けつけます。見積り・出張費は無料です。梅雨明け後も湿気の残る時期は屋外配線や水まわりの絶縁低下が出やすいため、気になる症状があればお早めにご相談ください。

調査の対象範囲や費用の考え方は料金ページ、実際の作業例は漏電修理のページでもご案内しています。

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