電気温水器でブレーカーが落ちる・漏電する|確認の順番を電気工事士が解説

電気温水器でブレーカーが落ちる・漏電する

電気温水器のリモコンが消えている、お湯が沸いていない。そんなときは、分電盤のブレーカーと、電気温水器の本体に付いている漏電遮断器の、どれが「切」になっているかを最初に確かめます。電気温水器には、分電盤とは別に本体側にも漏電遮断器が付いている機種があり、どこが切れたかで疑うべき場所が変わるからです。そして、入れ直してもまた切れるときは、それ以上は入れ直さず「切」のままにしておくのが、この記事で紹介する三菱電機と日立の取扱説明書に共通する案内です。

この記事では、福岡・佐賀で漏電調査やブレーカーの修理を行っている電気工事士の立場から、電気温水器でブレーカーが落ちる・漏電するときの確認の順番を、三菱電機と日立の取扱説明書に書かれている内容とあわせて解説します。対象は、タンクの中のヒーターでお湯を沸かす電気温水器です。ヒートポンプで沸かすエコキュートの電気工事はエコキュート・IH導入時の電気工事の記事で説明しています。

電気温水器のブレーカーが落ちたとき、最初に確認すること

煙が出ている・炎が見えるときは、ためらわず119番に通報し、避難を優先してください。

次の症状があるときは、入れ直しを試さないでください。

・焦げ臭いなど、いつもと違うにおいや様子がある
・本体や配管から水が漏れている、本体の設置場所がいつも濡れている
三菱電機の取扱説明書では、こげ臭いなどの異常があるときは本体の漏電遮断器の電源レバーを下げて「切」にし、販売店または同社の修理窓口へ連絡するよう案内されています。水漏れについては、給水配管専用止水栓を閉じ、200V電源ブレーカーまたは漏電遮断器の電源レバーを「切」にして据付工事店(販売店)へ連絡するよう書かれています。本体のまわりや分電盤のまわりが濡れているときは、濡れた手で操作しないでください。分電盤そのものが濡れている・水がかかっているときは、ブレーカーに触れずに電気工事店へご相談ください。

賃貸住宅にお住まいの場合、電気温水器は大家さんの設備のことが多いため、修理や点検を手配する前に大家さんや管理会社へ連絡してください(賃貸住宅の電気トラブルの記事)。

上の症状がない場合は、次の2か所を順に見ていきます。

▶ 分電盤の電気温水器用のブレーカー
電気温水器は分電盤の専用のブレーカーから電源をとっています。三菱電機の取扱説明書では「200V電源ブレーカー」、日立の取扱説明書では「元電源ブレーカー」と呼ばれています。分電盤の主幹の漏電ブレーカーが落ちて、家全体の電気が消えている場合もあります。その場合は、一般財団法人 九州電気保安協会が案内している手順のとおり、まず電気機器の安全を確かめてから、安全ブレーカー(子ブレーカー)をすべて「切」にして漏電ブレーカーを「入」にし、安全ブレーカーを1つずつ「入」に戻していきます。電気温水器の回路を入れたところで再び落ちるなら、その回路は「切」のままにして、ほかの回路だけを使います。戻し方の詳しい手順はブレーカーの中立と正しい戻し方の記事で解説しています。

▶ 電気温水器の本体の漏電遮断器
三菱電機(形名SRT-J37W3ほか)の取扱説明書には、「この温水器は、わき上げ用(向かって右側)と制御用(左側)の2つの漏電遮断器が付いています。」と書かれています。日立(型式BE-F46EWUほか)の取扱説明書でも、漏電遮断器は操作カバー内に2つ並んでいると説明されています。分電盤のブレーカーが入っていても、本体側が「切」になっていれば電気温水器は動きません。

本体の漏電遮断器の位置や形は機種によって違います。お使いの電気温水器の取扱説明書で確認してください。取扱説明書が手元にない場合は、本体正面の銘版に書かれた形名をもとに、メーカーのサイトで探せることがあります。

入れ直してもまた切れるときは「切」のままにする

落ちていたブレーカーや漏電遮断器を「入」に戻して、そのまま使えれば一時的なものだった可能性があります。問題は、入れ直してもまた切れる場合です。

三菱電機の取扱説明書の「故障かな?」の表では、リモコンが点灯しない(電源が入らない)ときの処置として、「漏電遮断器の電源レバー(2カ所)が『切』になっている場合は『入』にしてください。再度『切』になる場合は、そのまま据付工事店(販売店)へご連絡ください。」と書かれています。リモコンのエラー表示の項でも、わき上げ用の電力が供給されていない場合について、200V電源ブレーカーと本体の漏電遮断器を「入」にしても2度、3度と「切」になるときは、「切」のまま据付工事店(販売店)または同社の修理窓口へ連絡するよう案内されています。

日立の取扱説明書も同じ考え方で、漏電遮断器の電源スイッチが「切」になっている場合は「入」にし、再度「切」になる場合は「切」のまま販売店へ連絡するよう書かれています。

漏電遮断器は、漏電を見つけて電気を止めるための安全装置です。何度も入れ直して無理に使い続けると、漏電している状態に電気を流し続けることになります。入れ直してもまた切れるときは、原因が分かるまで「切」のままにしておいてください。

なお、タンクの水を抜いたあとや、断水のあとに電源を入れるときは注意が必要です。三菱電機の取扱説明書は「通電はタンクを満水にしてから行う」としており、その理由を「ヒーターが過熱して故障の原因になります。」と説明しています。水を抜いたあとの使いはじめの手順は、お使いの機種の取扱説明書に従ってください。

「時々切れる」「設置場所が濡れている」は点検のサイン

毎回ではなく、ときどき漏電遮断器が切れるという場合もあります。日立の取扱説明書には、長く使っている電気給湯機の点検を呼びかける項目があり、「本体設置場所がいつもぬれている」「時々漏電遮断器が『切』になる」「お湯が早くなくなる」といった症状が挙げられています。こうした症状があるときは使用を中止し、電源ブレーカーを切り、電気温水器専用止水栓を閉じてから、販売店に点検を相談するよう案内されています。

電気温水器は水と電気が近い機器なので、水漏れが絶縁の低下につながるおそれもあります。三菱電機は2006年に、同社が1998年から2001年にかけて製造した電気温水器の一部について、長期間の使用で風呂用電磁弁が劣化して漏水する場合があるとして点検・修理を案内し、あわせて漏水による絶縁性能低下の可能性にも対応するとしていました。

また三菱電機は、一部の電気温水器で本体内部の減圧弁から漏水する事象が確認されたとして、対象製品の減圧弁を無償で交換するお知らせを出しています。対象かどうかは、本体正面の銘版に書かれた形名と製造番号で確認する方式です。三菱電機の電気温水器をお使いで水漏れが気になる場合は、同社のお知らせもあわせて確認してください。

ふだんの確認:テストボタンで漏電遮断器の動作を見る

本体の漏電遮断器が正しく動くかどうかは、テストボタンで確認できます。手順は、三菱電機・日立の取扱説明書とも、おおむね次のとおりです。

▶ 手順1 電源が入っている状態で、操作カバーを開けてテストボタンを押す
▶ 手順2 電源レバー(電源スイッチ)が「入」から「切」になれば正常
▶ 手順3 電源レバーを「入」に戻す(2つとも確認する)

テストボタンを押しても「切」にならない場合は、漏電遮断器が正しく働いていないおそれがあります。三菱電機の取扱説明書は据付工事店(販売店)へ、日立の取扱説明書は元電源ブレーカーと電源スイッチを「切」にしてお買い上げの販売店へ連絡するよう案内しています。

確認の頻度は機種によって違います。三菱電機の取扱説明書(形名SRT-J37W3ほか)では「1年に2〜3回程度のお手入れと点検」の項目に、日立の取扱説明書(型式BE-F46EWUほか)では「月に1度のお手入れと点検」の項目に、漏電遮断器の動作確認が入っています。お使いの機種の取扱説明書に書かれた頻度で確認してください。確認が終わったら、操作カバーは閉じておきます。両社の取扱説明書とも、開けたままにすると雨水やゴミが入り、漏電や感電することがあると注意しています。

あわせて、両社の取扱説明書には「アース工事を確認する」という項目もあり、アースがされていないと故障や漏電のときに感電することがあると説明されています。アースの役割はアース(接地)の記事で解説しています。

本体の不具合か、配線・分電盤側か

電気温水器でブレーカーや漏電遮断器が切れるとき、原因の場所は大きく2つに分かれます。

本体の中(ヒーターや部品)

本体の漏電遮断器が切れる、取扱説明書のとおり入れ直しても切れる、本体まわりの水漏れがある。こうした場合は、本体の点検が必要です。上で紹介したとおり、取扱説明書ではお買い上げの販売店(据付工事店)やメーカーの修理窓口への連絡が案内されています。本体内部の点検・修理は、メーカーや販売店の領分です。両社の取扱説明書とも、保証期間中は保証書の規定にしたがって修理すると案内しているので、保証期間中であれば、保証書を用意して販売店(据付工事店)へ連絡するのが先です。

三菱電機の取扱説明書は、長く使うために3〜4年に1度の定期点検(有料)をすすめており、定期点検は据付工事店(販売店)または同社の修理窓口へ相談するよう書かれています。

分電盤のブレーカー・電気温水器までの配線

一方、分電盤の電気温水器用のブレーカーや主幹の漏電ブレーカーが落ちる場合は、電気温水器だけでなく、分電盤から電気温水器までの配線やブレーカー自体に原因があることもあります。ブレーカーの経年劣化については、日本電機工業会が住宅用分電盤に内蔵されたブレーカーの更新推奨時期を使用開始後13年としています(分電盤の交換時期は分電盤の寿命の記事で解説しています)。

どこで漏電しているかは、絶縁抵抗計で回路ごとに測って絞り込みます。電気温水器の回路を切り離して測れば、本体側か配線側かの見当をつけられます。調べ方の流れは漏電調査の記事をご覧ください。分電盤の漏電ブレーカーの仕組みは漏電遮断器の役割と動作原理の記事で説明しています。

自分でできる範囲と、交換を考えるとき

住まいの方ができるのは、どのブレーカー・漏電遮断器が切れたかを確かめること、取扱説明書の範囲で一度入れ直してみること、テストボタンで動作を確認すること、そして切れた日時や状況(お湯を沸かす時間帯だったか、雨のあとだったか、水漏れはあるか)をメモしておくことまでです。メモがあると、販売店やメーカー、電気工事店が原因を絞り込みやすくなります。

分電盤のブレーカーの交換や、電気温水器までの200Vの配線工事は電気工事にあたり、電気工事士の資格が必要です。資格が必要な作業の線引きは、電気工事士法の線引きを条文で解説した記事をご覧ください。

点検の結果、本体を交換することになった場合は、新しい機器の取扱説明書や工事説明書に書かれた電源の条件に、いまのブレーカーや配線が合っているかの確認も必要です。電気温水器からエコキュートに替える場合は、電源まわりの工事の内容も変わることがあるので、エコキュート・IH導入時の電気工事の記事もあわせてご覧ください。賃貸住宅にお住まいの場合は、まず大家さんや管理会社へご相談ください。連絡の順番は賃貸住宅の電気トラブルの記事で解説しています。

福岡・佐賀で電気温水器のブレーカー・漏電にお困りなら

電気温水器が動かないときは、分電盤のブレーカーと本体の漏電遮断器のどれが切れたかを確かめる。一度入れ直してまた切れるなら「切」のままにする。焦げ臭い・水漏れがあるときは入れ直さず、取扱説明書の案内どおり電源を切って連絡する(煙や炎が見えるときは119番へ)。これが安全な順番です。本体の点検・修理は販売店やメーカーへ(保証期間中は保証書を用意して販売店へ)、分電盤や配線など電気設備側の調査・修理は電気工事店へ、と相談先が分かれます。

漏電、ブレーカー、換気扇修理119番は、福岡県全域と佐賀県の主要都市で、電気工事士の有資格者が漏電調査やブレーカーの修理・交換を行っています。電気温水器の本体側か、分電盤や配線側か分からないときは、電気設備側から調べて切り分けることができます。年中無休24時間受付、最短即日で伺います。お見積りは無料、出張費も基本無料で、お見積り後の追加料金はいただきません。作業前後の写真もお渡ししています。漏電箇所の特定は料金ページの「漏電調査(箇所特定)」が目安です。料金の目安は料金ページをご覧のうえ、まずはお電話またはメールでご相談ください。

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