冬にブレーカーが落ちる原因|暖房家電の同時使用と契約アンペアの見直し方
寒くなってから急にブレーカーが落ちるようになった、という場合、まず考えられるのが、エアコンの暖房や電気ストーブ、こたつなどの暖房家電と、電子レンジ・電気ケトル・ドライヤーといった熱を出す家電を同時に使ったことによる「電気の使いすぎ」です。ただし、分電盤のどのブレーカーが落ちたかによって、原因も対処もまったく変わります。家全体が消えたのか、一部の部屋だけが消えたのか、漏電ブレーカーが落ちたのかをまず確かめてください。
この記事では、九州電力送配電・九州電力の公式案内と、NITE(製品評価技術基盤機構)の注意喚起をもとに、冬のブレーカー落ちの見分け方、同時に使える家電の目安の出し方、契約アンペアを見直すときの注意点を、福岡・佐賀で分電盤やブレーカーの修理を行う電気工事士の目線で整理します。分電盤やコンセント、暖房器具から煙が出ている・炎が見えるときは、ブレーカーの操作より先に119番への通報と避難を優先してください。
目次
冬にブレーカーが落ちやすくなる理由
電気ストーブやファンヒーター、こたつ、電気カーペット、エアコンの暖房といった暖房家電は、電気を熱に変えて部屋や体を温めます。冬はこうした家電を使う時間が長くなるうえ、朝の身支度や夕食の準備の時間帯には、電子レンジ・電気ケトル・炊飯器・ドライヤーなど、同じく熱を出す家電が重なりがちです。
たとえば朝、エアコンの暖房とファンヒーターをつけたまま、台所で電子レンジと電気ケトルを使い、洗面所でドライヤーを使う、という場面です。一つひとつは普段どおりの使い方でも、同じ時間帯に重なると、家全体または一つの回路で流せる電気の量を超え、ブレーカーが電気を止めます。この場合、ブレーカーやリミッターは故障しているのではなく、決められた電流の上限を超えたために電気を止めています。
ポイントは「冬だから」ではなく「同時に使っているから」落ちるという点です。原因がわかれば、使い方を少し変えるだけで解決することもあります。
まず分電盤で「どのブレーカーが落ちたか」を確認する
九州電力送配電の「電気がつかないときは」では、自分の家(全部または一部)だけ電気が消えたときは分電盤を確認するよう案内し、分電盤のスイッチをA・B・Cの3種類に分けて説明しています。
A:リミッター(電流制限器)が切れた=家全体の使いすぎ
家全体の電気が消え、分電盤の一番左などにあるリミッター(アンペアブレーカー)が「切」になっている場合です。同社は「電気の使いすぎが主な原因」とし、使用中の電気機器の数を減らしてからつまみを「入」にするよう案内しています。
分電盤にリミッターが見当たらない家もあります。電気メーター(計量器)にリミッターの機能が入っている場合、同社によるとリミッターが切れた10秒後に自動で再点灯しますが、使用中の電気機器を減らしていないと再び停電し、繰り返し停電すると再点灯できなくなる場合があります。その際は最寄りの配電事業所(コールセンター)へ連絡するよう案内されています。家電を減らさないまま何度も復旧を待つのは避けてください。なお、契約の種類によってはリミッターが付いていない場合もあります。どのスイッチが落ちたのか分からないときは、自己判断せず、配電事業所や電気工事店に確認してください。
C:安全ブレーカーが切れた=その回路だけの使いすぎ・故障
一部の部屋やコンセントだけが消え、小さなスイッチが並んだ安全ブレーカー(配線用遮断器)の一つが「切」になっている場合です。同社は、切れた回路での電気の使いすぎや、電気機器・コードなどの故障が主な原因とし、その回路で使っていた電気機器のプラグをコンセントから抜いたうえで「入」にするよう案内しています。それでもまた切れる場合は回路の不良として、電気工事店や保守センターへの相談を勧めています。
冬によくあるのが、リビングの同じ壁のコンセントにファンヒーターと電気カーペットを差している、台所の一つのコンセントまわりに電子レンジと電気ケトルを集めている、といったケースです。家全体ではまだ余裕があっても、一つの回路に集中すると安全ブレーカーが落ちます。
B:漏電遮断器(漏電ブレーカー)が切れた=漏電の可能性
漏電ブレーカーが落ちた場合は、漏電の可能性があります(同社は、雷などのショックで切れる場合もあるとしています)。同社は、安全ブレーカーをすべて「切」にしてから漏電ブレーカーを「入」にし、安全ブレーカーを一つずつ「入」にして、漏電ブレーカーが落ちた回路を「切」のままにしておく手順を案内しています。その回路は漏電している恐れがあるので、電気工事店や保守センターに相談するよう書かれています。詳しい戻し方はブレーカーが戻らない・リセットできない原因と対処法でも解説しています。
暖房の季節に漏電ブレーカーが落ちる場合も、「暖房を使ったから」と決めつけないでください。漏電は電気を使った量とは関係なく、配線や家電の絶縁の傷みで起こります。何度も落ちる回路を「入」にし直して使い続けるのは危険です。
同時に使える家電の目安は「消費電力」から計算できる
使いすぎで落ちているとわかったら、どの組み合わせで落ちるのかを数字でつかんでおくと、家族の間でも共有しやすくなります。
▶ 家電の「消費電力(W)」を調べる
暖房家電や調理家電の本体の銘板(ラベル)や取扱説明書には、消費電力がワット(W)で書かれています。ファンヒーターや電気ストーブのように強弱を切り替えられるものは、強運転のときの値を見ておくと安全側の目安になります。エアコンは運転の状態によって消費電力が変わるため、表示の数値はあくまで目安と考えてください。
▶ 100Vの家電は「消費電力を100で割る」とおおよそのアンペア(A)になる
電力(W)は電圧(V)と電流(A)の掛け算なので、100Vで使う家電なら、消費電力を100で割るとおおよその電流になります。仮に消費電力1,200Wのファンヒーターなら約12A、1,000Wの電気ケトルなら約10Aです。この2つを同時に使うだけで約22Aになります。
▶ 契約アンペアと安全ブレーカーの定格と比べる
家全体の上限は契約アンペア、一つの回路の上限はその安全ブレーカーの定格です。安全ブレーカーのつまみや本体には「20A」などの定格が表示されています。家全体の合計が契約アンペアを超えればリミッターが、一つの回路の合計がその回路の定格を超えれば安全ブレーカーが落ちる、と考えるとわかりやすくなります。
なお、200Vのエアコンや、単相3線式の分電盤で使う家電の電流の数え方はもう少し複雑です。正確に知りたいときは、分電盤の回路と家電の配置を見たうえで、電気工事士に確認してもらうのが確実です。
今日からできる対策|「同時に使わない」「一つの回路に集めない」
▶ 時間をずらす
暖房をつけた直後に、電子レンジ・電気ケトル・ドライヤーを重ねないようにします。朝はケトルでお湯を沸かし終えてから電子レンジを使う、ドライヤーを使う間は電気ストーブを止めておく、といった小さな工夫で落ちなくなることがあります。家族が多い家庭では、「エアコンとケトルとドライヤーが重なると落ちる」のように、落ちやすい組み合わせを共有しておくと効果的です。
▶ 差し込むコンセントを分ける
分電盤の安全ブレーカーには、「台所」「洋室」などの回路名が書かれていることがあります。消費電力の大きい暖房家電は、電子レンジや電気ケトルと同じ回路のコンセントを避けて差すと、安全ブレーカーが落ちにくくなります。どのコンセントがどの回路かわからない場合は、電気工事士が調べることもできます。
▶ 延長コード・たこ足配線に注意する
NITEは、電気暖房器具は消費電力が大きいため、取扱説明書で延長コードの使用が禁止されていることがあると注意しています。延長コードを使う場合は、つないだ機器の消費電力の合計が、延長コードの最大消費電力を超えないようにするよう呼びかけています。たこ足配線のリスクはコンセントの増設工事とたこ足配線のリスクで詳しく解説しています。
契約アンペアを見直すときに知っておきたいこと
家全体の使いすぎ(リミッターが落ちる)が冬の間たびたび起こるなら、契約アンペアを上げる方法があります。ただし、いくつか注意点があります。
「冬の間だけ上げる」は基本的にできない
九州電力のよくあるご質問では、一時的な契約容量(アンペア数)の変更は原則受付できないとし、電気の契約期間は1年間が基本なので、電気を一番多く使用する時期に合わせて契約容量を決めるよう案内しています。同社のアンペア変更の申込みページでも「夏場のみのご契約容量増加等は承れません」とし、1年を通じて最も電気を使う時期にあわせて選ぶよう書かれています。冬に一番電気を使う家庭なら、冬の使い方を基準に考えることになります。九州電力の従量電灯Bのように契約アンペアごとに基本料金が決まる料金プランでは、契約アンペアを上げると毎月の基本料金も上がります。基本料金の決まり方は契約先や料金プランによって異なるため、ご自身の料金プランもあわせて確認してください。
申込先は電気の契約先(小売電気事業者)
九州電力送配電は、本土で契約アンペアの変更を希望するときは、電気の契約先(小売電気事業者)へ連絡するよう案内しています(離島は最寄りの配電事業所)。九州電力と契約している場合、同社のアンペア変更の申込みページの注意事項には、次のような点が書かれています。
- アンペア変更の取替工事は無料だが、屋内配線の容量が小さい場合など、設備の状況によっては希望のアンペアに変更できない場合がある
- 60アンペアを超える契約に変更する場合は、インターネットでは申し込めず、電気工事店または保守センターへ相談する
- アパートやマンションなどの集合住宅では、建物全体の配線容量が不足する場合があり、所有者や管理者の承諾が必要になることがある
また、同社のよくあるご質問では、リミッターの取替は無料でも、屋内配線工事が必要な場合は工事費がかかるとしています。分電盤の容量や配線が足りない場合の工事と費用の考え方は、アンペア変更工事の費用相場と手続きで解説しています。新電力と契約している場合は、契約先の案内を確認してください。
安全ブレーカーが落ちるなら、契約を上げても解決しない
落ちているのがリミッターではなく安全ブレーカーの場合は、家全体ではなく一つの回路の使いすぎです。契約アンペアを上げても、その回路で流せる量は変わらないため解決しません。使い方の工夫で足りない場合は、暖房器具用にコンセントの回路を分ける(専用回路を増設する)工事を検討します(賃貸住宅の場合は、事前に大家さん・管理会社へ確認してください)。専用回路の考え方は分電盤の空き回路と専用回路の増設をご覧ください。回路の増設やコンセントの新設は、電気工事士法により第一種または第二種電気工事士でなければ行えない工事です。
ブレーカーとあわせて確認したい暖房器具の安全
冬はブレーカー落ちだけでなく、暖房器具そのものによる事故にも注意が必要です。NITEの製品安全情報マガジン(2025年11月11日号)によると、2020年から2024年までの5年間にNITEに通知された製品事故情報では、主な暖房器具の事故が596件あり、そのうち電気ストーブ・ファンヒーターと石油ストーブ・ファンヒーターの事故が約8割を占めています。
同号では、電気暖房器具の使い始めや使用中に、次のような点を確認するよう呼びかけています。
- 電源コードや電源プラグが変形・破損していないか、コンセントがたこ足配線になっていないか
- 電源コードの被覆に破れや亀裂がないか、硬化していないか(特に本体側・プラグ側の根元付近)
- プラグを差したとき、コンセントが緩く抜けやすくなっていないか
- 本体の動作や外観に異常がないか(異常があれば電源スイッチを切ってプラグを抜き、メーカーに相談する)
- 使っている製品がリコール対象になっていないか
- 使用中は、暖房器具と壁や可燃物との距離を、取扱説明書で指定された距離どおりにとっているか
プラグやコンセントが熱くなる、変色している、焦げ臭いといった異常は、使いすぎとは別の危険なサインです。すぐに使用をやめて電源プラグを抜いてください(プラグや本体が熱いとき、煙が出ているときは無理に触らず、分電盤でその回路のブレーカーを切ります)。暖房器具本体の異常であればメーカーや販売店へ、コンセントや配線側の異常であれば電気工事士へ相談します。コンセントの焦げ・変色・異臭の記事もあわせて確認してください。
こんなときは電気工事士にご相談ください
次のような場合は、使い方の工夫だけでは解決しにくく、点検や工事が必要なことがあります。
- 家電を減らしても、同じ安全ブレーカーが何度も落ちる
- 漏電ブレーカーが落ちる、または「入」にしてもすぐ落ちる
- 契約アンペアを上げたいが、分電盤や配線の容量が足りるかわからない
- 暖房器具用にコンセントや専用回路を増やしたい
- コンセントやプラグが熱い、焦げ臭い、ブレーカーから異音がする
漏電、ブレーカー、換気扇修理119番では、福岡・佐賀のご家庭や店舗で、ブレーカーが落ちる原因の調査、漏電の調査・修理、専用回路の増設や分電盤の交換に対応しています。作業は電気工事士の有資格者が行い、作業前後の写真でご報告します。年中無休24時間受付で、最短即日でうかがいます。お見積りは無料、出張費も基本無料で(原因の調査は料金表の「ブレーカー原因調査」「漏電調査」が目安です)、お見積り後の追加料金はいただきません。福岡市・北九州市・久留米市をはじめ、佐賀市・鳥栖市など佐賀県の主要都市からのご相談もお待ちしています。冬の本格的な寒さを迎える前に、お電話またはメールでお気軽にご相談ください。ブレーカーまわりの対応内容はブレーカー修理のページでもご紹介しています。
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