コンセントの増設工事とたこ足配線のリスク|福岡・佐賀の電気工事士が解説

コンセントの増設工事とたこ足配線のリスク|漏電、ブレーカー、換気扇修理119番

「コンセントが足りないので、とりあえず電源タップを何個かつないでいる」——ご家庭でも事務所でもよくある状態です。ただ、タップを足して増えるのは差込口の数だけで、そこに流せる電気の量は増えません。この記事では、福岡・佐賀で電気工事を行う漏電、ブレーカー、換気扇修理119番が、たこ足配線がなぜ危険なのかと、コンセントの増設工事に資格が必要な理由を、公的機関の資料と条文をもとに整理します。

足りないのは「差込口」か「回路の容量」か

コンセントを増やしたいというご相談は、実は2つの違う問題が混ざっています。

▶ 差込口が足りない
機器の台数が増えて、単純に挿す場所が足りない状態です。壁のコンセントを増設する(口数を増やす・別の位置に新設する)ことで解決します。

▶ 回路の容量が足りない
挿す場所はあるのに、同時に使うとブレーカーが落ちる状態です。この場合は差込口を増やしても解決せず、分電盤側で回路を増やす(専用回路を引く)必要があります。消費電力の大きい家電には、はじめから専用回路が前提になっているものがあります(どの機器が該当するかは下記のリンク先で解説しています)。

電源タップを足しても増えるのは前者の「差込口」だけで、その壁のコンセントが属している回路に流せる電気の量は変わりません。ここを取り違えたまま台数を増やしていくと、次に説明する状態に近づきます。回路側の考え方は分電盤の空き回路と専用回路の増設|専用回路が必要な家電と工事の判断基準で詳しく解説しています。

たこ足配線が危ないのは「熱」の問題

製品評価技術基盤機構(NITE)は、たこ足配線について「テーブルタップにたくさんのプラグを差し、伸びたコードがたこの足に似ていることから呼ばれています」と説明したうえで、次のように注意を促しています。

「コードには流すことのできる電流の大きさが決まっています。テーブルタップには、『1500W(ワット)まで』などと書かれています。」/「テーブルタップに幾つもの電気製品をつなげるとコードに流せる電流をオーバーすることになりやすく、コードやテーブルタップに熱くなり、発火することがあります。」(NITE「製品安全教育DVDハンドブック(配線の事故)」=学校の授業などで使う教材資料)

同機構は注意喚起動画「テーブルタップ・延長コード『5.たこ足配線で異常発熱』」の解説でも「たこ足配線はテーブルタップなどの異常発熱を引き起こしてしまうおそれがあるため危険です。また、異常発熱により発煙やショートが発生し、火災に至る場合もあるため、たこ足配線は行わないでください」としています。

ご自宅の家電がどれくらい電気を使うかは、意外と把握されていません。NITEは目安として、ドライヤー1200W、電子レンジ1200W、アイロン1000W、電気ポット1000Wという数字を挙げ、タップに差せる機器の組み合わせを考えてみるよう呼びかけています。この目安どおりなら、「1500Wまで」と表示されたタップでは、このうち2つを同時に使うだけで上限に届いてしまう計算になります。台数ではなく、合計のワット数で考えるのがポイントです。回路の容量と使用電力の関係は分電盤の空き回路と専用回路の増設で数字を挙げて解説していますので、あわせてご覧ください。

▶ 見落としやすいのが「コードを束ねる」こと
NITEは、コードに流せる電流はコードを伸ばした状態で使うことを前提に設定されていると説明しています。そのうえで「コードに電流を流すとジュール熱によって発熱するので、コードを束ねて使うと熱が逃げなくなり、コードの被覆(ビニール)が溶け、電線と電線が接触して火花が出て発火するものです。」としています。家具の裏でコードを結束バンドでまとめている、巻いたままのコードリールで使っている、といった使い方は、定格の範囲内でも危険側に振れます。

同機構が挙げている注意ポイントは4つです。電源プラグは定期的に清掃する/長期間使わないときはコンセントから電源プラグを抜く/コードに流せる電流以上の電気製品をつなげない/コードを束ねて使わない。あわせて、コードから火花が出たときは「触らない(感電の危険性があります)」とも案内されています。

なお、プラグの刃の周辺にほこりや湿気がたまって起きるトラッキング現象は、たこ足配線かどうかとは別の原因です。差込口まわりの焦げや変色に気づいたときの見方はコンセントの焦げ・発熱・火花のページにまとめています。

コンセントの増設は、電気工事士でなければできない

ここは条文で確認しておきましょう。電気工事士法第2条第3項は「電気工事」を「一般用電気工作物等又は自家用電気工作物を設置し、又は変更する工事」と定義し、政令で定める軽微な工事を除いています。そのうえで同法第3条第2項は、第一種または第二種電気工事士でなければ、一般用電気工作物等(一般のご家庭の電気設備がこれにあたります)に係る電気工事の作業に従事してはならないと定めています。

「保安上支障がないと認められる作業」は経済産業省令で除かれますが、その中身を定めているのが同法施行規則第2条です。一般のご家庭に関係するのは同条第2項で、その第1号イが第1項第1号の「イからヌまで及びヲ」を引いています。この中には、資格がなければできない作業として「配線器具を造営材その他の物件に取り付け、若しくはこれを取り外し、又はこれに電線を接続する作業(露出型点滅器又は露出型コンセントを取り換える作業を除く。)」が挙げられています。

つまり、この作業から除かれているのは露出型点滅器・露出型コンセントを「取り換える」作業です。壁に埋め込まれたコンセントの交換や、新しい位置への増設は、この例外にあたりません。壁の中の電線から分岐して器具を取り付ける作業になるため、電気工事士の資格が必要です。

違反した場合の罰則も同法に定めがあり、第14条は三月以下の拘禁刑又は三万円以下の罰金としています。無資格の工事は、法律上の問題であると同時に、接続不良による発熱・火災という実害に直結します。

一方で、電源タップを壁のコンセントに挿して使うこと自体は「工事」ではありません。前述のとおり同法第2条第3項が定義する電気工事は「設置し、又は変更する工事」であり、機器を挿して使う行為はこれにあたらないためです(なお同法施行令第1条は、「電圧六百ボルト以下で使用する差込み接続器…にコード又はキャブタイヤケーブルを接続する工事」などを軽微な工事として電気工事から除いています)。たこ足配線が問題になるのは、資格の話ではなく前章の「熱」の話だとお考えください。

増設を頼む前に整理しておきたいこと

お問い合わせをいただいたとき、こちらから必ずうかがうのは次の点です。あらかじめ整理しておいていただくと、話が早く進みます。

▶ 何を、何台つなぐのか
つなぐ機器と消費電力(本体や取扱説明書に表示があります)が分かると、差込口を増やすだけでよいのか、回路から増やす必要があるのかを判断できます。

▶ どの位置に、いくつ欲しいのか
壁の中の配線経路や下地の位置によって、増設できる場所とできない場所があります。「ここに欲しい」という希望と、「この壁ならこの位置になります」という現場の条件をすり合わせる作業になります。

▶ 使う場所の条件
洗濯機や冷蔵庫のようにアース線をつなぐ機器なら、アース端子付きのコンセントが必要です。屋外や水気のある場所は、器具の種類も取り付け方も変わります。

現地を見ないまま「何本でいくら」とお答えできる工事ではありません。福岡市・久留米市をはじめ福岡県内と佐賀県のご依頼は、見積り・出張費は無料でうかがっています。料金のページもあわせてご覧ください。

福岡・佐賀のコンセント増設は漏電119番へ

タップを足し続けるより、コンセントそのものを増やすほうが安全で、結果的にすっきり片づきます。とくに、いつも同じタップだけが熱くなる、差込口の周りが変色している、といった状態は、放置せずに一度見せてください。

漏電、ブレーカー、換気扇修理119番は、電気工事士の有資格者が福岡・佐賀のご家庭と店舗にうかがいます。年中無休24時間受付で、最短即日の対応も可能です。作業の前後は写真でご報告しますので、壁の中で何をしたのかが見えないという不安もありません。コンセントの増設だけでなく、ブレーカーが落ちる、焦げくさいといった症状も、あわせてご相談いただけます。

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