ドライヤーで電気が暗くなる・チカチカする原因|様子見と点検の見分け方

ドライヤーで電気が暗くなる・チカチカする原因と点検の見分け方

ドライヤーや電子レンジ、エアコンなどを使い始めた瞬間に、部屋の照明が一瞬暗くなったりチカチカしたりすることがあります。消費電力の大きい家電が動き出すと電線に流れる電気が急に増え、そのぶん照明にかかる電圧がわずかに下がるために起こる現象で、一瞬だけ少し暗くなってすぐ元に戻るなら、多くは配線の仕組みによるものです。

一方で、大きく暗くなる・なかなか戻らない、照明が逆に異常に明るくなる、コンセントやプラグが熱い・焦げ臭いといった場合は、配線の接続部の不具合や、分電盤まわりの異常が隠れていることがあります。煙や炎が見えるときは、すぐに119番へ通報してください。照明が異常に明るくなるときは、使用中の家電の電源を切ったうえで、後述の「中性線の異常」の項をご確認ください。この記事では、法令とパナソニック・九州電力送配電の公式情報をもとに、様子を見てよいケースと点検が必要なケースの見分け方を、福岡・佐賀で電気設備の修理を行う電気工事士の目線で解説します。照明以外の原因も含めたちらつき全般は、照明がチカチカ・ちらつく原因で整理しています。

家電を使うと照明が暗くなる仕組み

家に届く電圧には法律で決められた幅がある

家庭のコンセントの電圧は「100V」と呼ばれますが、いつもぴったり100Vというわけではありません。電気事業法施行規則第38条は、電気を供給する場所で維持すべき電圧の値を、標準電圧100Vについては「百一ボルトの上下六ボルトを超えない値」、200Vについては「二百二ボルトの上下二十ボルトを超えない値」と定めています。つまり100Vの場合、おおむね95Vから107Vの範囲に収まるよう、電気を送る側が管理しています。

大きな電流が流れると、家の中の配線でも電圧が下がる

電線にはわずかながら電気抵抗があり、流れる電流が大きいほど、電線の中で失われる電圧も大きくなります。ドライヤーや電子レンジ、電気ケトル、暖房器具のように熱を出す家電は消費電力が大きく、動き出すと電流が一気に増えます。その瞬間、同じ配線から電気を受けている照明の電圧がわずかに下がり、明るさが変わって見えるのです。

パナソニックのよくあるご質問(蛍光灯器具)では、電源電圧が低い場合はランプ電流が減少して暗くなり、あまり低いとスムーズに点灯しなくなるとしています。また、同社の照明コントローラ(リビングライコン)に関するよくあるご質問では、エアコンや調理家電、洗濯乾燥機などの大容量機器が動いたときの照明のちらつきについて、電源の電圧や波形が安定していないことが影響している可能性を挙げ、照明と機器の電源回路を分けることで影響を軽減できる(回路変更は工事が必要)と回答しています。

なお、九州電力送配電は、電線路の電圧が繰り返し変化して照明が明るくなったり暗くなったりを短い時間に繰り返す現象を「電圧フリッカ」と呼び、昔は一時的に電力を大量に使用する機器が主な発生原因だったと説明しています。こちらは家の中ではなく電線路側の現象で、後述の晴れた昼間のチラつきもこれにあたります。

様子を見てよいケースと、点検したほうがよいケース

同じ「暗くなる・チカチカする」でも、出方によって意味が変わります。次の目安で切り分けてみてください。

使い方の工夫で様子を見てよいケース

  • ドライヤーや電子レンジのスイッチを入れた瞬間だけ、少し暗くなり、すぐに元の明るさに戻る
  • 決まった家電を使ったときだけ起こり、ほかの時間は問題がない
  • コンセントやプラグが熱くならず、焦げ臭さもない
  • 以前から同じ程度で、最近になってひどくなっていない

この場合は、後述の「自分でできること」で、同時に使う家電を減らしたり、差すコンセントを変えたりして様子を見ます。

早めに点検を依頼したいケース

  • 家電を使っている間ずっと、はっきり暗いままになる
  • 以前は起きなかったのに、最近になって急に目立つようになった
  • 家電を使っていないときにもチカチカする、ブレーカーがよく落ちる
  • コンセントやプラグ、スイッチのまわりが熱い・変色している・焦げ臭い・「ジー」と音がする

こうした症状は、配線の接続部のゆるみや劣化、コンセントの差し込み不良などで、電気が流れにくい箇所が生じているときにも現れます。接続部の不具合は発熱を伴うことがあり、放置すると焼損につながるおそれがあります。熱さや焦げ臭さがあるときは、その家電の使用をやめ、プラグを抜いてください(プラグや本体が熱いとき、煙が出ているときは無理に触らず、分電盤でその回路のブレーカーを切ります)。煙や炎が見えるときは119番へ通報し、避難を優先してください。症状別の確認はコンセントの焦げ・変色・異臭は発火の危険、分電盤やコンセントの異音で解説しています。

照明が「明るくなる」ときは中性線の異常に注意

家電を使うとある部屋の照明は暗くなるのに、別の部屋の照明は異常に明るくなる、照明や家電がいくつも同時に壊れた、という場合は、特に注意が必要です。

いまの住宅の多くは、100Vと200Vの両方が使える「単相3線式」で電気を受けています。パナソニックの解説によると、単相3線式では中性線(真ん中の線)の接触が悪くなると電化製品にかかる電圧が変わり、中性線が欠相する(途切れる)と、100Vの回路に異常電圧がかかります。同社のよくあるご質問では、中性線が欠相すると単相200Vの直列回路ができ、負荷機器の抵抗による分圧で100Vを超える電圧が100V用の機器に加わり、損傷・焼損するおそれがあると説明しています。

2本の100V回路に200Vが分かれてかかる状態になるため、片側の回路の電圧が上がれば、もう片側は下がります。同社の蛍光灯器具のよくあるご質問でも、電源電圧が高い場合はランプ電流が増して明るくなるとしています。どの家電を使うかで分かれ方が変わるため、「家電を使うと、明るくなる部屋と暗くなる部屋がある」という形で気づくことがあります。ただし照明の種類によっては明るさの変化として現れないこともあるため、家電がいくつも同時に壊れた・一斉に調子がおかしくなったときも、同じように対応してください。

照明が異常に明るい、明るくなる部屋と暗くなる部屋があると感じたら、使用中の家電の電源を切ってください。中性線の異常が、電柱から家までの引込線側にあるのか、分電盤や屋内の配線側にあるのかは、外から見ただけでは判断できません。九州電力送配電の配電事業所か、電気工事店に連絡して確認を依頼してください(賃貸住宅の場合は、大家さん・管理会社にもあわせて連絡してください)。どこまでが九州電力送配電の設備かは、分電盤は九州電力の設備?引込線・メーターとの境目と連絡先で解説しています。

パナソニックによると、現在販売されている住宅分電盤の主幹ブレーカーは、こうした異常電圧をすばやく検知して電気を遮断する「単相3線中性線欠相保護機能」を備えています。中性線欠相保護に関する規定は、内線規程(JEAC8001-1990)で推奨的事項として規定され、その後、内線規程(JEAC8001-1995)で義務的事項になったと同社は説明しています。古い分電盤には、この機能を持たない主幹ブレーカーが付いている可能性もあるため、分電盤が古い場合は点検の際に確認しておくと安心です。分電盤の交換時期については分電盤の寿命は何年?をご覧ください。

晴れた昼間に家じゅうがチラつくなら「電圧フリッカ」の可能性

家電を使っていないのに、晴れた日の昼間に、家じゅうの照明が繰り返しチラつく場合は、家の中ではなく電線路側の現象かもしれません。九州電力送配電は、九州エリアで晴天かつ電力需要が少ない時期の昼間帯に、電圧が繰り返し変化して照明がチラつく現象(電圧フリッカ)が発生しているとし、太陽光発電事業者に保護装置の設定変更を依頼するなどの対策を進めていると案内しています。

同社によると、電圧フリッカによる感電などの保安面の問題はなく、停電は発生しません。照明がチラつくのみで、その他の家電製品への影響は確認されていないとし、気になる場合は照明の電源を切るなどの対応をお願いしています。心配な場合の相談先は最寄りの配電事業所です。なお、同社は電圧フリッカを抑えるための機器などの販売はしておらず、販売目的で訪問や電話をすることはないとしています。「チラつきを止める機器」をすすめる訪問や電話には注意してください。

自分でできること

▶ 消費電力の大きい家電を同時に使わない
ドライヤーと電子レンジ、電気ケトルと暖房器具のように、熱を出す家電を重ねて使うと、電流が増えて照明の明るさが変わりやすくなります。時間をずらすだけで目立たなくなることがあります。

▶ 照明と同じ回路のコンセントを避ける
分電盤の安全ブレーカーに「洋室」「洗面所」などの回路名が書かれていれば、ドライヤーを使うコンセントと照明が同じ回路かどうかの手がかりになります。別の回路のコンセントでドライヤーを使って、ちらつきが変わるかを確かめてみてください。

▶ 延長コードやたこ足配線を見直す
細い延長コードや電源タップに消費電力の大きい家電をつなぐと、コードやプラグの発熱につながります。プラグの差し込みが緩いと感じる場合も注意が必要です。詳しくはコンセントの増設工事とたこ足配線のリスクをご覧ください。

▶ 照明側の原因も確かめる
LED電球に替えてからちらつくようになった場合は、調光スイッチとの相性など照明側の原因も考えられます。電球の交換や、引掛シーリングへの照明器具の付け替えは資格がなくてもできますが、照明を配線に直接つなぐ作業や、壁に埋め込まれたコンセント・スイッチの交換は、電気工事士の資格が必要です。

電気工事士に任せたい作業

使い方を変えてもはっきり暗くなる場合や、点検が必要な症状がある場合は、電気工事士が次のような点を確認します。

  • コンセント・スイッチ・分電盤の接続部にゆるみや焼けがないか
  • 照明と、消費電力の大きい家電が同じ回路に集中していないか
  • 使用中の電圧に異常がないか、回路ごとに差がないか
  • 分電盤の主幹ブレーカーが中性線欠相保護機能付きか

原因に応じて、接続部の補修、コンセントの交換、ドライヤーや電子レンジを使う場所への専用回路の増設、分電盤の交換などを検討します(賃貸住宅の場合は、事前に大家さん・管理会社へ確認してください)。こうした工事の多くは、電気工事士法により第一種または第二種電気工事士でなければ行えません。専用回路の考え方は分電盤の空き回路と専用回路の増設で解説しています。

照明のちらつき・暗くなる症状は漏電119番へ

漏電、ブレーカー、換気扇修理119番では、福岡・佐賀のご家庭や店舗で、照明のちらつきやブレーカー落ちの原因調査、コンセント・スイッチの交換、専用回路の増設、分電盤の交換に対応しています。作業は電気工事士の有資格者が行い、作業前後の写真でご報告します。年中無休24時間受付で、最短即日でうかがいます。お見積りは無料、出張費も基本無料で、お見積り後の追加料金はいただきません。福岡市・北九州市・久留米市・春日市・大野城市、佐賀市・鳥栖市など、福岡県と佐賀県の主要都市からのご相談もお待ちしています。「この暗くなり方は様子を見てよいの?」と迷う段階でも、お電話またはメールでお気軽にご相談ください。

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