雷サージで家電が壊れる原因と対策|福岡の夏の落雷対策を電気工事士が解説

雷サージで家電が壊れる原因と対策|福岡・佐賀の電気工事士が解説

「昨夜の雷のあと、テレビだけ映らなくなった」「エアコンの電源が入らない」——落雷の翌日にこうしたご相談が集中します。原因の多くは、落雷によって電線を伝わってくる瞬間的な過大電圧「雷サージ」です。しかも、自宅に雷が落ちていなくても起こります。この記事では、雷サージで家電が壊れる仕組み、落雷のあとにご自身で確認できること、そして分電盤の避雷器(SPD)まで含めた備え方を、福岡・佐賀で電気工事にあたる有資格者の視点で整理します。

雷が鳴ったあとに家電が壊れる「雷サージ」とは

雷サージとは、落雷にともなって発生する瞬間的な過大な電圧・電流のことです。家庭の電気は100Vまたは200Vで動いていますが、雷サージはそれとは桁違いの電圧が一瞬だけ流れ込みます。家電の内部にある電子回路はこの電圧に耐えられず、基板が損傷して「電源が入らない」「一部の機能だけ効かない」といった故障になります。

自宅に落ちていなくても起こる「誘導雷」

「うちには落ちていないのに、なぜ壊れたのか」というご質問をよくいただきます。パナソニックの住宅分電盤の解説では、落雷が原因で発生した過剰な電流・電圧は、たとえ遠くの落雷であっても市中の電線を伝わって住まいに入り込み、電気製品を壊してしまうことがあると説明されています。同社は、電気製品の被害の大部分を占めるのはこの誘導雷だとしています。

つまり、雷雲が数km先にあって「遠くで鳴っているな」と感じる程度でも、被害は起こり得るということです。停電をともなわないケースも多く、翌日に家電を使おうとして初めて気づく方がほとんどです。

侵入経路は電源のコンセントだけではない

雷サージの入口は一つではありません。パナソニックの図解では、電線から入る誘導雷サージのほかに、アース側から逆流してくる雷サージの経路が示されています。またサンワサプライの解説では、電柱やアンテナから電話線・電源線・アンテナ線を伝って建物内に侵入するパターンに加え、建物に落雷がない場合でも大気から侵入するパターンが挙げられています。

テレビだけが壊れる、インターネットのルーターだけが壊れる——といった偏った壊れ方をするのは、コンセント以外にアンテナ線やLANケーブルという「もう一つの入口」を持っている機器だからです。

福岡の雷は7月・8月に集中する

気象庁が公開している福岡(観測地点)の平年値(統計期間1991〜2020年)によると、雷日数は年間25.5日です。月別に見ると7月が5.3日、8月が5.9日で、この2か月だけで11.2日——年間のおよそ4割がこの真夏の時期に集中していることになります。

梅雨明け後の夕立や、大気の状態が不安定な日の雷雨が重なる時期です。福岡市や久留米市、大牟田市など福岡県内の各地でも、8月は雷注意報が出る日が続くことが珍しくありません。エアコンをはじめ家電が最もフル稼働する季節と、雷が最も多い季節が重なっている——これが夏に家電の落雷被害が目立つ理由です。

なお、湿気による漏電トラブルが増える梅雨・台風時期の注意点は梅雨・台風シーズンに増える漏電トラブルで解説しています。雷とは原因が異なりますので、あわせてご確認ください。

落雷のあとに多い電気トラブルと確認手順

ブレーカーが落ちている・漏電ブレーカーが動作した

落雷のあとに家中の電気が消えている場合、まず分電盤を確認します。停電から復旧しているのに電気が来ないときは、ブレーカーが動作している可能性があります。漏電ブレーカーが落ちている場合は、雷サージによって機器や配線の絶縁が傷んでいることも考えられます。

戻してもすぐに落ちる、あるいはレバーが中途半端な位置から動かないといったときは、無理に入れ直さず使用を止めてご相談ください。漏電ブレーカーの役割と動作の仕組みは漏電遮断器(漏電ブレーカー)の役割と動作原理で詳しくご説明しています。

一部の家電だけが動かない

ブレーカーは落ちていないのに特定の家電だけ動かない場合は、その機器の内部が損傷している可能性が高くなります。別のコンセントに挿しても動かなければ機器側、そのコンセントだけ使えないなら配線側という切り分けができます。判断がつかない場合は、無理に通電を繰り返さないことをおすすめします。

焦げたにおい・変色があるときは使わない

コンセントや分電盤から焦げたにおいがする、樹脂が変色しているといった場合は、通電を続けないでください。ブレーカーを切ったうえで、有資格者による点検をご依頼ください。

今日からできる雷サージ対策

① 雷雲が近づく前にプラグを抜く

費用をかけずにできる最も確実な方法は、物理的に線を切り離すことです。ポイントは、電源プラグだけでなく、テレビのアンテナ線やLANケーブル、電話線など「外部につながる線」も一緒に抜くこと。電源スイッチを切っても、線がつながっていればそこから雷サージは入ってきます。

ただし、雷鳴が近くで聞こえてから慌てて作業するのは避けてください。雷注意報や雨雲レーダーで雷雲の接近が分かった段階、あるいは長期の外出前など、余裕のあるタイミングで行うのが安全です。

② 雷ガード付きタップは「電源経由の軽減策」

家電量販店で手に入る雷ガード付き電源タップは、内部のサージ吸収素子で雷サージを抑える製品です。サンワサプライの解説によると、アース端子が付いた上位モデルには、素子で吸収すると同時にアースへ逃がすバイパス回路を備えた製品があります。手軽で有効な一次対策ですが、同社は直撃雷についてはパソコンなどを守ることは非常に難しく、雷ガード対策製品を設置しても機器を保護しきれない可能性が高いとしています。

あくまで「コンセント経由で入ってくる分を軽くする」対策であり、電源用のタップではアンテナ線やLANケーブル側からの侵入は守れません(電話回線側にも対応した製品は別にあります)。過信は禁物です。

③ 分電盤に避雷器(SPD)を設置する

住まい全体をまとめて守る考え方が、分電盤への避雷器の設置です。避雷器はSPD(サージ防護デバイス)とも呼ばれ、音羽電機工業の解説では低圧サージ防護デバイスが正式名称で、避雷器・アレスタ・サージプロテクタといった呼び方があると説明されています。分電盤の入口で雷サージを受け止め、大地へ逃がす役割を持ちます。

パナソニックによれば、既設の同社製分電盤(コンパクトブレーカー搭載品)に分岐回路1回路分の空きスペースがあれば、避雷器を後から追加することができます。設置工事には電気工事士の資格が必要で、電気製品とアース線は必ず避雷器と一緒に接地する必要があるとされています。分電盤の内部は主幹ブレーカーの一次側に電気が来ている部分があり、資格のない方が触ると感電の危険があります。

また、守れる範囲には限界がある点も正しく理解しておきたいところです。パナソニックは、直撃雷、また電話線やテレビアンテナ線など住宅分電盤を通らない雷サージの侵入については対象外だと明記しています。「これを付ければ何があっても安心」ではなく、被害の大部分を占める誘導雷のリスクを大きく下げる設備、という位置づけです。

なお、分電盤に空きスペースがない、設置から年数が経っているという場合は、避雷器の追加とあわせて分電盤自体の状態も確認します。判断の目安は分電盤の寿命は何年?古い分電盤に潜む火災リスクと交換時期にまとめていますので参考になさってください。ブレーカーや分電盤の工事内容はブレーカー修理のページでもご案内しています。

福岡・佐賀で落雷後の電気トラブルにお困りなら

漏電、ブレーカー、換気扇修理119番では、電気工事士の有資格者が落雷後のブレーカー点検、漏電調査、分電盤や避雷器に関する工事に対応しています。年中無休24時間対応で、最短即日でお伺いします。お見積りと出張費は無料、お伝えした金額から追加料金をいただくことはありません。作業の前後は写真でご報告しますので、分電盤の中のように普段見えない場所の作業も、内容をご確認いただけます。

福岡市・久留米市・大牟田市をはじめとする福岡県内、および佐賀エリアに対応しています。雷が多いこの季節、「雷のあとから調子がおかしい」「夏のうちに雷対策をしておきたい」といったご相談も歓迎ですので、お電話またはメールでお気軽にお問い合わせください。

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